【ネタバレあり】おすすめ漫画『成瀬は天下を取りにいく【単話版】』感想

少年・青年

「2024年本屋大賞」を受賞した青春小説を「滋賀愛」たっぷりにコミカライズ! 『成瀬は天下を取りにいく【単話版】』

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成瀬は天下を取りにいく【単話版】

著者:宮島未奈 さかなこうじ 小畠泪/新潮社

こんな人におすすめ

心にグッと残る漫画を読みたい人
クスッと笑える漫画を読みたい人
キャラが魅力的でストーリーが面白い漫画を読みたい人

目次

作品紹介
登場人物
作品の見どころ
感想
成瀬は天下を取りにいく【単話版】はどこで読める?

作品紹介

「2024年本屋大賞」を受賞した青春小説を「滋賀愛」たっぷりにコミカライズ! 突飛な発言ばかりする成瀬と、それに振り回される幼なじみの島崎。しかし成瀬の行動は、周りの人々の気持ちを確かに変えていく――。

登場人物

成瀬 あかり(なるせ あかり)
周囲から「変わった子」と思われても、ブレることなく興味の赴くまま我が道を突き進む。
滋賀県大津市生まれ。

島崎 みゆき(しまざき みゆき)
成瀬の幼馴染。凡人の自分は成瀬を見守るのが己の務めだと考えている。コミュ力が高く友人が多い。

作品の見どころ

第1話 ありがとう西武大津店①

「私はこの夏を西武に捧げようと思う」
成瀬がまた変なことを幼馴染の島崎に言い出すところから物語は進んでいきます!
成瀬の言う西武とは創業44年の地元民に愛された「西武大津店」のことで8月末に閉店になることが決まったとのこと。その西武大津店に地元番組「ぐるりんワイド」が閉店まで毎日生中継が行われるのだが、その生中継に毎日映ると言うのだった!!
そしてそれを島崎にテレビでチェックしてほしいと頼むのでした。

成瀬あかりは昔から変なやつで小学生の時、巨大シャボン玉を作る天才としてTV番組で紹介をされたことがある。成瀬は興味を持てばなんでもする子で文武両道、器用で好奇心旺盛だったが愛嬌がなかった。人を寄せ付けない雰囲気が学年が上がるにつれて避けられ、無視され中学2年の今は学校で孤立している。島崎は幼馴染のよしみで登下校をともにしているのだった。

島崎は成瀬が「ぐるりんワイド」に写るのかチェックしていると、そこにはライオンズのユニフォームを着た成瀬が変な動きをしながら写っていましたが、インタビューをしている女性には完全にスルーされています。その姿を見て島崎は笑って「すごいなあ…成瀬」と呟くのでしたが目には涙が…。
過去に成瀬が避けられてる時に島崎も周りに合わせて避けていた時があったのでした。

成瀬は小学生の卒業文集で将来200歳まで生きると書いており、200歳まで見届けられないが今ではそんな成瀬をできる限りそばで見ていようと誓う島崎でした。

第2話 ありがとう西武大津店②

中学2年の夏を謳歌するはずだった島崎だが、なぜか成瀬と一緒にライオンズのユニフォームを着て成瀬と一緒に西武大津店の前に立っているのでした。
数日前、TV番組の録画を一緒に見ていた成瀬と島崎。成瀬はかなり目立っていたのでSNSでも「ライオンズ女子」とちょっと話題になっていました。(成瀬が西武のユニフォームを着たのはなんとなくで特に理由はなし)

成瀬が西武大津店に通おうと思った理由は夏の思い出を作りをしたかったらしい。
(※コロナ禍で楽しみにしていた学校行事が中止になっていたのでした)
そういうことなら気持ちも分かると言う島崎に「来るか?ユニフォームの予備ならあるぞ」と誘う成瀬。

そして今に至る。島崎は周囲の目を気にして恥ずかしくなって帰りたくなってきます。島崎は成瀬がインタビューされれば満足して帰るかもしれないと思い、二人で目立つようにジャグリングなどしてアピールしますがその甲斐虚しくインタビューはされませんでした。

でも、そんな二人をTVで見ていたお婆さんからライオンズグッズや子供から二人を描いた絵をプレゼントされたりと応援され、これはこれで悪くないと思う島崎。そんな島崎に声を掛けてきたのは同じバド部の友達でした。生中継に映っているのを見て来たとのこと。ローカル番組なのでお年寄りしか見てないと思ってさらに恥ずかしくなる島崎だった。ふと「インタビューよろしいですか?」と声を掛けられ嬉しくなり成瀬を呼ぶが、インタビューを受けたのはバド部の友達でした。ずっと頑張ってたのは成瀬と私なのにと思い、「成瀬もインタビューされたいよね?」と言うと「全然。私は中継に毎日映ればそれでいい」とあっさり返事するのでした。

その返事に「思い出作りじゃなかったの?」「成瀬はこの数日楽しくなかったの?」
成瀬も同じ気持ちだと思っていたのにーーー。っと悲しくなる島崎でした。

第3話 ありがとう西武大津店③(前編)

島崎はあの日以来、足が遠のいてしまいテレビ越しに成瀬を見ていた。モヤモヤが晴れぬまま、夏休みが明け学校に行く島崎だが、家の前に制服ではなく私服姿の成瀬が立っていた。西武大津店の最終日の中継に備えて学校を休む気なのかと思う島崎だが、いつも違った雰囲気の成瀬から…

「おばあちゃんが死んだんだ」と伝えられる。

成瀬のおばあちゃんは病気で入院をしていたが、容態が急変してこれから葬儀に行くとのことで、一応島崎に伝えておきたかったとのこと。(もしかしたらTVの生中継に島崎が行くかもしれないと考えて伝えたのかもですね)

学校で部活中の島崎は成瀬のあんな落ち込んだ顔を初めて見たなと思い出していると、西武大津店に来てくれたバド部の友達が島崎に声を掛けてくる。島崎が深刻な顔をしていたので、この前のインタビューで成瀬と島崎が怒って気を悪くしたのかなと心配になったらしい。全然そんなことはないし、改めて友達に見られたと思うと恥ずかしくなる島崎。

バド部の友達はそんなことないと言って、インタビューされてTVに映ったことでなかなか会えないおばあちゃんが大喜びしてくれたと逆に感謝されるのでした。(なかなか会えないのはコロナ禍だからですね)TV中継をしていた「ぐるりんワイド」はお年寄りがよく見る番組で成瀬のおばあちゃんも見てたのかなと考えると…

「あれ、もしかして成瀬が中継に映る理由っておばあちゃんのために…?」

成瀬の真意を知った島崎は部活を早退するのでした!!

第3話 ありがとう西武大津店③(後編)

閉店する西武大津店の最終日、お店にはすごい人だかりができています。西武ライオンズのユニフォームを着た島崎は成瀬のおばあちゃんはいないし意味がないかもしれないけど最後の1日、成瀬の想いを引き継ぎたいとTV中継に映ろうとします。

SNSでも話題になっていたのでお店に来ていた人から「写真撮ろうよ」「1ヶ月お疲れ様」と声を掛けられる島崎に「そいつは偽物だ」と大声を出すおじいさんがいました。「いつも映っている子と顔が違う、偽物め」と島崎を怒鳴りつけ、終いにはSNSで拡散して炎上させて学校に通えなくしてやると言ってきます。

怖くて声を出せずにいるところに「島崎」と呼ぶ声が…。そこには成瀬の姿がありました。お通夜は明日らしく来ることができたのでした。成瀬の姿を見て安堵する島崎ですが、すぐに「中継は六階のテラスからだって」「おばあちゃんのために行かなきゃ」と中継場所に成瀬を連れていきます。

成瀬のおばあちゃんは毎日ぐるりんワイドを見ていたらしく、あかりにいい友達がいて嬉しいと言っていたとのこと。TVに映る成瀬の隣に島崎が一緒にいたことに「今も仲良くてあかりが楽しそうで安心した」と言っていたそうです。今ままではおばあちゃんのためでしたが、最終日は島崎のために来た成瀬でした。

中継先のテラスに向かう二人ですが途中で子供になんで野球のユニフォーム着てるのと笑われますが、「これが私たちの制服なんだ」と誇らしげに言う成瀬なのでした。

二人で一緒に西武大津店の閉店を見納めると「寂しくなるね」と言う島崎に「今が夏でよかった」と答える成瀬。「なんで?」と聞くと「暗くて寒かったら今頃もっと寂しいから」

続けて「将来私が大津にデパートを建てる」と言う成瀬に「応援する」と島崎は言うのでした。
こうして成瀬は中二の夏を西武に捧げたのでした。

中学二年生の秋「お笑いの頂点を目指そうと思う」と成瀬は言うのでした。

感想

今回は新潮社から発売している「成瀬は天下を取りにいく【単話版】」を読んでみました。「2024年本屋大賞」を受賞した青春小説をコミカライズした作品でバナーでも大きく紹介されていたので気になって読んでみましたが、とても面白かったです。何を考えているか分からない成瀬に振り回される島崎という構図でストーリーのテンポもよく、絵柄も綺麗なので心理表情も丁寧に描かれてます。でも成瀬の行動の真意が分かると心にグッと来るものがあります。西武大津店編が終わった後、「お笑いの頂点を目指そうと思う」と成瀬に注目ですね(笑)

成瀬は天下を取りにいく【単話版】はどこで読める?

今回ご紹介した「成瀬は天下を取りにいく【単話版】」ですが電子書籍サイトのRenta!で6巻まで配信中です。現在はRenta!で先行配信しているらしいので気になる方はぜひチェックしてみてください!!※実施しているキャンペーンや作品などは予告なく変更もしくは終了する場合があります。詳細についてはサイトをご確認ください。(2024年8月時点)

成瀬は天下を取りにいく【単話版】

著者:宮島未奈 さかなこうじ 小畠泪/新潮社

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