「二年前の聖女候補殺人事件の犯人は誰なのか――」
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著者:浅見よう・日向夏・しんいし智歩/講談社
目次
・作品紹介
・登場人物
・作品の見どころ
・感想&レビュー評価
・『聖女に嘘は通じない(3)』はどこで読める?
作品紹介
「二年前の聖女候補殺人事件の犯人は誰なのか――」
成金聖騎士エラルドに見出された少女・クロエは事件を探るべく聖女選抜試験に潜り込む。しかし、聖女候補の誰かが神秘の力『祝福(ギフト)』でクロエに攻撃を仕掛けようとしたことが判明する……! そんな危険な状況下で、候補者の一人である傾国の美女・サロメと接触することになり……!?
登場人物
クロエ
主人公。ミュトス王国辺境の教会で神官見習いをしている。お金が大好きで夜な夜な酒場に行って荒稼ぎをして「豪運の聖女」と呼ばれている。「祝福(ギフト)」持ちとエラルドに思われるが、幼少期からの訓練により記憶力や観察力、洞察力が優れている。報酬の金貨に目が眩みエラルドの無理難題な依頼を受けてしまう。
エラルド=ビルツ
ビルツ伯爵家の人間で聖騎士。見た目がいい。クロエの能力を買い「聖女候補として大教会に潜入し、二年前の殺人事件の神子候補のチーロを殺害した犯人を見つけてほしい」と依頼する。
イネス
ビルツ伯爵家の小間使い。淑女教育など主人公クロエの身の回りのお世話をしてくれる。小動物が大好き。
モニク(神子候補者)
15歳。神子候補者の一人。二年前の選抜試験の候補者でもある。クロエと同じく神官見習い。5歳の時に祝福を持っていると両親が言い教会が引き取る。
サロメ(神子候補者)
子爵令嬢の21歳。神子候補者の一人。二年前の選抜試験の候補者でもある。商家の娘で両親は平民だが13歳の時に子爵家の養女に入る。
ゾエ(神子候補者)
伯爵令嬢の17歳。神子候補者の一人。二年前の選抜試験の候補者でもある。
ヴィオレット(神子候補者)
侯爵令嬢の20歳。神子候補者の一人。二年前の選抜試験の候補者でもある。聖女候補の中で一番地位が高い。
チーロ
二年前の選抜試験の候補者。エラルドがクロエに依頼した二年前の神子選抜試験にて殺害された事件の被害者。
作品の見どころ
疑惑
養護院に来ていたクロエはサロメの聖騎士たちに「あなたの浅はかな行動に落胆した」と言われます。養護院の子供達に配っていたお菓子をサロメの聖騎士たちが代わりに配っておくと言ってくれたのでお菓子を渡していました。そのお菓子の中に小石が混じっていたと言ってきます。
子供達が口にしていたら歯が欠けてしまうのでもっと注意するべきだと指摘されます。これは最初からお菓子を配るつもりはなくて言いがかりをつけるためだったなと考えるクロエでしたが聖騎士たちの表情がおかしいことに気づきます。瞳孔が開いており嘘をついていると同時に酒や薬物を接種したような高揚感が見えたのでした。
「このお菓子を用意したのは私です」とサロメが間に入ってきます。
(※養護院に来る道中で何も用意していないだろうと思ったサロメはクロエにお菓子を渡していたのです)
大教会に報告するなら私がやったと報告してくださいと聖騎士たちに言うサロメ。その姿に自分が思っている以上に誠実な性格な人だと思うクロエでした。
聖騎士たちはサロメに冤罪を着せるためにクロエがわざと小石を混ぜたとさらに言いがかり言ってきますが、エラルドが間に入り聖騎士たちの言い分について矛盾をついて追い詰めていきます。そしてエラルドは何やら球体のような道具を出すとその球体がカッとひかりだします。
その光で聖騎士たちを正気に戻し眠らせてしまいます。どうやらこの聖騎士たちはサロメの魅力に惑わされていたようです。エラルドはサロメの持つ異性を惑わせる能力を消しませんかと提案します。
サロメは「本当に私の呪いを解いてくれるんですか?」とお願いをします。
エラルドの調査ではサロメが異性を惑わせるようになったのは8歳の時で父親が扱う商品に触れてしまったことが原因でした。その商品に触れて目も赤くなってしまったサロメ。(祝福や魔道具によって目の色が変わることがあるらしい)
13年前に面白い魔道具がオークションに出るという話があり、その名も「夢魔(むま)の香水」。かつて「魅惑の女性」が死の直前に作りだした物で、一振りするだけで異性の理想になれるという噂がありました。しかしオークションには出品されなかった。幼い頃のサロメが誤ってその香水を全部かぶってしまい結果出品はされず自分の意思とは関係なく異性を誘引してしまう体質になってしまったのでした。
エラルドは祝福を消すことはできないが、魔道具に由来する力であれば他の魔道具で相殺させて消し去ることができると言います。サロメは呪いを消す代わりに神子候補を辞退しろということですかと聞き返しますが二年前に神子候補のチーロが殺害された当日に何をされていたか真実を話してほしいとエラルドは言うのでした。
サロメの深層
サロメは「当時は部屋にいた」と証言しています。それは本当ですかとクロエが問うと瞳孔の大きさやかすかにする汗の匂い、じわっと湿っている肌の表面などの変化を見逃さないクロエ。
探りを入れるクロエはそっとサロメの手を掴むふりをしながら手首の脈拍を感じます。「チーロの殺害に関わっていないんですよね?」と問うとサロメの脈に変化はありませんでした。さらに探りを入れます「どうしてチーロの遺体を移動させたのですか?」の質問にビクっとするサロメ。
ここからクロエが推理をしていきます。
チーロは石テーブルに座っていたところ、城壁のアロースリットを呼ばれる隙間からクロスボウで撃たれて殺害されていた。城壁の外は聖騎士の宿舎があり日々訓練をしている。
・サロメは何かしらの理由でチーロと会う約束をしていた。
・待ち合わせ場所には殺害されたチーロの遺体があった。
・自分に容疑が掛からないように遺体を移動させた?
サロメが来るまでにチーロは石テーブルに座っているところをクロスボウで殺された。なぜ遺体を移動させる意味があったのか?いろんな状況や可能性を考慮して核心をつく質問をするクロエ。
「城の外の誰と何を話していたのですか?」
その質問で表情が一気に変わるサロメに「その誰かがチーロを殺害したのですか?」と聞くと「彼はそんなことはしない」と涙ながらに答えるサロメでした。心の隙をつくようで悪いと思いながらもクロエはサロメの味方のような態度で当時の状況を聞きだします。
二年前の選抜試験中にたまに一人になりたくて石テーブルの場所にいたとのこと。呪いのせいで幼い頃から精神的にすり減っていたサロメは石テーブルの場所でひっそり泣いていたのです。ある日城壁の外にいる男性に泣いていることを気づかれてしまい、声をかけられたことがキッカケに話すようになります。
彼の名はアドン、彼も失敗をしたりして嫌われているから一人でいることが多いと言います。アドンと会える休憩中の十数分がサロメの楽しみになっていました。お互いあまり踏み込んだ話はしていなったので名前以外のことはほとんど知らず、選抜試験が終わってしまうともうアドンに会えないと思い、いてもたってもいられなくなったサロメはチーロの祝福でアドンのことを調べてほしいとお願いをしたのです。
時間になったら石テーブルで落ち合う約束をしていたが、そこには矢の突き刺さったチーロの姿を発見したのでした。当時は聖獣の森であれば一人でも問題ないということで護衛の騎士はついていなかったらしい。
アドンに容疑がかかると思いサロメはチーロの遺体を護衛騎士の女性と森の広場へと移動させたのでした。
大人びた雰囲気だった泣きじゃくる今のサロメの姿は幼女のようだと感じるクロエでした。
悪い知らせ
家に戻り部屋で疲れたといってくつろぐクロエ。そこへエラルドも後からやってくると良い知らせと悪い知らせがあると言ってきます。
アドンは有能な聖騎士で「千里耳(せんりじ)」という二つ名を持ち特殊な偵察隊にいるものだとわかりました。彼は生まれつき目が見えずクロスボウは使えないため、彼がチーロ殺害の犯人ではないことが分かりました。
チーロの遺体を一緒に動かした女性の護衛騎士についてクロエが気にかけます。彼女もサロメの状況には同情していてアドンとの逢引きも黙認していたとのこと。サロメの能力が消えたらサロメの養父から罰せられるのではと心配するクロエでしたが、有能そうなので今回の件が片付いたらビルツ家で雇うと考えているエラルドでした。
ただエラルドには気になることがありました。それは魔道具の光を見て彼女も一緒に倒れたことです。他の聖騎士たちはサロメの誘惑の能力に掛かっていたので魔道具の光を見て倒れてしまった。サロメが浴びた香水は異性にしか効かない能力らしく護衛騎士の女性が魔道具の光を見たら、ただ眩しいだけのはずなのになぜ倒れてしまったのか。
つまり、無意識のうちに誰かに祝福もしくは魔道具で操られていた可能性があったのです。
それを聞いて「大変悪い知らせだと思うんですけど」と大声を出すクロエ。誰かを操る祝福があるのであれば城壁の外にいた誰かを操ってチーロを撃った可能性もある。
そこで、ハッと気づくクロエ。「あの時チーロではなくサロメが狙われた可能性があるのでは?」
誘惑の能力からサロメへの怨恨はたくさんありそうで、いつも石テーブルに座っていたのはサロメだったのでチーロが狙われるにはタイミングが良すぎると考えます。
考えることがまた増えたと頭を悩ませるクロエとエラルドでした。そこへイネスから明日の予定を伝えられます。王都で行われるバザーの手伝いにヴィオレットとゾエと一緒に行くことになります。
感想&レビュー評価
『聖女に嘘は通じない3巻』はサロメの話からなぜチーロの遺体が移動していたのかなど二年前の当時の状況が少し分かりましたね。しかし今のところ誰が犯人なのかまだまだ全然分からないですね!もし聖騎士の中に犯人がいるなら、それはそれで犯人候補はまだたくさんいそうです。3巻の終わりではヴィオレットに食事会という舞踏会に誘われてしまうクロエ。チーロの殺害事件もそうですが、神子選抜試験も今後どうなっていくのか楽しみです。あと所々でイネスが聖獣のリスを愛でるシーンは面白いですね(笑)
作品レビュー評価
聖女に嘘は通じない (4.3)
▼好きです!
とても面白いです!聖女様の性格が素敵で好きですねー そしてストーリーもテンポもとてもよくて、先が気になります。人気なのがわかりますねー!
▼いい!
主人公のわかりやすい性格がかわいい!お金大好き主人公、たいへん親しみが持てます。 絵柄もストーリーも好みでした。これはあたりですね!!!
▼これは面白い…!
聖女というタイトルに釣られて試し読みをめくったのですが、これは面白いです。 令嬢や聖女だけじゃない、謎解き、賭博要素もあってすごく楽しい! 読んでみて欲しい作品です! 星5でお願いします。
▼おもしろいです
お金大好きな神官見習いの少女が高額報酬に釣られて聖女候補殺人事件に挑むミステリーコメディです。不思議能力ありのファンタジー世界が舞台のため謎解きでスッキリできるかは微妙ですですが、依頼主で成金貴族なイケメン聖騎士などキャラ同士の掛け合いは楽しめると思います。絵柄は可愛らしくて読みやすいです。
コミックシーモア引用
『聖女に嘘は通じない(3)』はどこで読める?
今回ご紹介した『聖女に嘘は通じない(3)』は講談社より発売しており、現在は最新刊の3巻まで配信中です。各電子書籍サイトで無料で試し読みもできますので気になった方はぜひ読んでみてください。※実施しているキャンペーンや作品内容などは予告なく変更もしくは終了する場合があります。詳細については各サイトをご確認ください。(2024年9月掲載時点)
無料試し読み
著者:浅見よう・日向夏・しんいし智歩/講談社
1巻目と2巻目の感想&レビューはこちらです。
電子書籍サイト
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